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海外児童文学を思わせる懐かしのファンタジー『魔法使いの嫁』

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ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』1巻(マッグガーデン)より

 

キャッチコピーは「人外×少女」。異形の紳士と女の子の組み合わせの目立つ表紙が前々から気になっていた本作『魔法使いの嫁』を、ようやっと読むことができた。

 

まだ先の展開は見えないものの、どこか闇を抱えた2人の関係性がどうなっていくのか楽しみな作品。そして何より、登場するファンタジックな生き物たちがかわいい。

 

 

現代のイギリスを舞台にしたファンタジーコミック

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ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』1巻(マッグガーデン)より

 

作者のイラストに惹かれた人は、きっとそれだけで本作を楽しむことができる。そう断言できるほどに、好きな人が相当数いそうな絵柄だと感じました。僕はとっても好きです。

 

舞台は、現代のイギリス。人に見えないモノが見える少女と、彼女を“買った”魔法使いの物語。設定からもダークファンタジー的な展開を想像していたところ、各話独立型のストーリーは思いのほか穏やか。

 

この後の展開次第で如何ようにもなるのでしょうが1巻時点では、ほんわかうふふと楽しんでおります。まだあまり“夫婦”然とはしていない、師弟関係。互いに相応の闇を抱えているように見受けられつつも、この2人、やたらとかわいい。

 

摩訶不思議な生物たちが可愛らしい

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ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』1巻(マッグガーデン)より

 

Amazonのレビューに“海外の児童書ファンタジー風味のしっとりした世界観”という指摘がありましたが、言い得て妙なのではないかしら。幼い頃に慣れ親しんだ、外国の児童文学をそのまま拡張したような生物たちが愛らしく、どこか懐かしい。

 

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ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』1巻(マッグガーデン)より

 

言われてみれば、細い線と影の多い絵柄もなんとなく、海外の児童書っぽくあります。次々と登場する魔法生物(?)はどれもこれも魅力的で、果ては「うらやましい!」と思えるほどに。ドラゴンかわいいなこんちくしょう!

 

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ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』1巻(マッグガーデン)より

 

作者さんは同人出の漫画家ということで、引き出しの多さにも納得。「猫に九生あり」ということわざは、どこかの国の迷信だっただろうか。イギリスを舞台にしていることもあって、日本の怪談ではなく、あちらの伝説が主に参照されるのもおもしろい。

 

――と考えると、ひとつ疑問もわいてくる。

 

舞台も登場人物も魔法生物もみんな英国の存在・設定なのに、どうして主人公たる彼女だけ、“日本人”として登場しているのだろう? この辺、ちょいと気にかけておきたいところかも。

 

2015年7月現在、3巻まで刊行されているということなので、引き続き読み進めていこうと思います。楽しみ。

 

魔法使いの嫁 1 (コミックブレイド)

魔法使いの嫁 1 (コミックブレイド)

 

 

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